2009年10月アーカイブ
広岡達朗をモチーフにしたフィクションでありながら、主人公の広岡は紛れもなく現実の広岡であるし広岡のチーム以外はほぼ現実の世界そのままである。後書で山口 瞳も書いているが実にうまく野球小説として成立しており、本当にイッキに読んでしまった。
まさか阪神ファンの自分がこんなタイトルの本を読もうなどとは思ってもみなかったが、海老沢の文章があまりに良いので読んでみたが、堀内がジャイアンツの選手だということをすっかりと忘れてしまうほどに没頭してしまった。自分が堀内を憎らしい目で見ていたのはたぶん彼の晩年の姿で、是非全盛期を見てみたかったとこの本を読んで思った。もっとも、さらに憎らしく思っただけだと思うけど。
江夏に関しても書いて欲しかったなあと思う。
これまた野球に関するエッセイ集。別の本にも収録されてるものがあるけど(というかほとんど?)またら新たな切口でまとめ直したといった感じで面白かった。
井上陽水のデビュー前から大物歌手の仲間入りをするまでを綴った伝記物語。さらっとまとまっている。デビュー時の芸名がアンドレ・カンドレだったことぐらいは知っていたけどその前はマンドレだったというのは知らなかった。
いやあ参った。海老沢泰久という作家はNumberで小さなコラムを書いていたのでなんとなく知ってはいたもののエッセイストか何かぐらいにしか思っていなかった。すみません。
少し前にまだ若いのに亡くなったのでふと著作を読んでみたところが完全にノックアウトされてしまった。こんなに優れた小説家だとは思わなかった。丸谷才一が散文の名手だと褒めるだけのことはある。他の作品も読まねば。
高千穂 遙と言へばSF作家というぐらいの知識しかなく今まで読んだことなかったがこの本は自転車それもヒルクライムがテーマなので読んでみた。かなりサラっとした内容の小説ですらすらと読めた。それほど印象には残らないけど著者が自転車にハマっているだけあってそこらへんの記述は全く心配ない。